今日は「PER(ピーイーアール)」という株の大事な数字について、じっくりわかりやすく説明します。
PERは株式投資をする上で、とてもよく使われる指標のひとつです。でも、初めて聞くとなんだか難しそうですよね?心配いりません。ゆっくり読み進めれば、あなたもすぐに理解できますよ。
1. PER(株価収益率)ってなに?
まずはPERの意味から。
PERとは「Price Earnings Ratio」の略で、日本語では「株価収益率」と言います。
つまり、「今の株価が、その会社の利益の何倍になっているか」を表す数字です。
計算方法は?

たとえば、
- 株価が1000円
- 1株あたり利益(EPS)が50円
なら、

となります。
これが「PER20倍」という意味です。
2. PERが示す意味をやさしく解説
では、この「20倍」という数字は何を意味するのでしょうか?
簡単に言うと、
「この会社の利益の20年分が、今の株価に詰まっている」という見方ができます。
株価は会社の「将来の利益予想」や「成長性」も含めて決まるため、PERが高い会社は「これからもっと成長するかも」と期待されていると考えられます。
逆にPERが低い会社は、
- 「あまり成長が期待されていない」
- 「今は利益が多いけど将来は心配」
という見方もできるのです。
3. 【具体例】PERの数値の意味をイメージしよう
例①:PERが10倍の会社
- 株価:500円
- EPS:50円
PERは10倍。
これは、利益の10年分が株価に入っている状態。
イメージ:
「この会社の利益が今のまま続けば、10年で投資したお金を回収できる」と考えられます。
例②:PERが50倍の会社
- 株価:1000円
- EPS:20円
PERは50倍。
利益に比べて株価がずいぶん高いですよね?
これは市場が「これからもっと利益が増えるはず!」と期待しているからです。
例③:PERが5倍の会社
- 株価:250円
- EPS:50円
PERは5倍。
かなり割安に見えますが、もしかすると
- 業績が悪化しそう
- 市場から見放されている
などの理由があるかもしれません。
4. 業種ごとにPERの「適正値」は違う
PERは業種によって平均値や目安が違います。
- 成長産業(IT・バイオなど)
PERが高くても普通。30倍、40倍以上も珍しくありません。将来の成長を期待しているためです。 - 安定産業(食品・電力など)
PERは10~20倍くらいが一般的です。急成長は期待されにくい分、割安感も少ないです。 - 景気敏感業種(自動車・建設など)
景気の変動で利益が上下しやすいので、PERも大きく変わります。
5. PERを見る時の注意点
注意①:利益が赤字の会社はPERが使えない
利益がマイナスだと「PERは計算できない」か、「マイナス値になる」ため参考になりません。
この場合は、別の指標を見る必要があります。
注意②:一時的な利益の変動に惑わされない
決算期によって利益が大きく上下する会社もあります。
例えば、
- 一度だけ大きな売却益が出た
- 一時的な費用がかかった
場合、EPSが一時的に増減しPERも大きく動くので注意しましょう。
注意③:PERが低すぎても油断禁物
低PER=割安と思いがちですが、会社に深刻な問題があるケースも多いです。
必ず企業のニュースや財務状況を合わせて調べることが大切です。
6. PERの使い方いろいろ
① 同業他社と比べる
同じ業界の会社でPERを比べると、
- 高い会社は成長期待が大きい
- 低い会社は割安か問題あり
がわかります。
② 過去のPER推移を調べる
自分が買いたい会社の過去数年のPERを調べて、今の株価が高いのか安いのかの判断材料にします。
③ 将来予想利益でPERを計算
「予想PER」というものもあり、今後1年や数年の利益予想で計算します。
こちらのほうが、将来の成長をより正確に見やすい場合があります。
7. まとめ:PERは「株価の割安・割高」を判断する大切な指標
- PERは「株価が利益の何倍か」を示す数字
- 数字が低いほど割安、高いほど成長期待大と判断される
- 業種や時期によって適正値は違う
- 1つの数字だけで判断せず、他の指標や会社情報と合わせて使う