【2025年5月版】iFreeNEXT インド株インデックスの運用状況とインド市場の展望

近年、インド経済は中長期的な成長期待に支えられ、世界中の投資家から注目を集めています。特にインド株式市場に連動するインデックスファンドである「iFreeNEXT インド株インデックス」は、その手軽さと透明性から人気を集めています。本記事では、2025年3月期の運用報告と、5月時点でのインド市場の展望を総括しながら、同ファンドの魅力とリスクについて分析します。


ファンドの概要と仕組み

「iFreeNEXT インド株インデックス」は、大和アセットマネジメントが運用する追加型投資信託で、インドの代表的な株価指数「Nifty50指数(税引後配当込み、円ベース)」に連動する投資成果を目指して運用されています。このファンドは「ベビーファンド」として、「インド株インデックス・マザーファンド」の受益証券を主要投資対象とし、マザーファンドを通じてインド株式市場へ分散投資を行っています。


2025年3月期の運用状況

2024年3月13日から2025年3月12日までの運用報告によると、基準価額は期首13,870円から期末13,322円へと4.0%下落しました。これは同期間のNifty50指数の下落(3.4%)と概ね連動しています。

▼ 主な下落要因

  • インド・ルピーが対円で下落したこと(円高)
  • 米国のインフレ指標の上振れや金利上昇により、新興国市場への売り圧力が強まったこと
  • 外国人投資家による資金流出

また、2025年3月末時点での純資産総額は1,320億円超に達し、前年同月比で大幅に増加。多くの投資家がこのファンドを通じてインド市場にアクセスしていることが分かります。


インド株式市場の動向(2025年5月時点)

2025年に入ってからのインド株式市場は、一進一退の動きを続けながらも、以下のような要因によって不安定な展開が続いています。

▼ プラス材料

  • 2024年の総選挙にて与党インド人民党(BJP)が勝利し、政治的安定と経済改革の継続が期待された
  • 米国の利下げ観測が一時的に強まり、インドなどの新興国株式にとって追い風となった
  • MSCI新興国指数におけるインド株比率の上昇

▼ マイナス材料

  • 米国の経済指標が強く、早期の利下げ期待が後退 → 金利上昇懸念が再燃
  • トランプ政権の復活に対する警戒感から、貿易政策や関税への不安が高まった
  • ルピー安とインフレ懸念が国内消費への圧力に

これらの要因により、Nifty50指数は2025年5月末時点でやや下落基調にあります。ただし、企業業績は概ね堅調であり、特に情報技術(IT)、銀行、インフラ関連のセクターが市場を下支えしています。


ファンドの構成銘柄と特徴

「iFreeNEXT インド株インデックス」は、インドを代表する以下のような企業を中心に分散投資しています。

  • HDFC Bank、ICICI Bank、Axis Bank(金融)
  • Reliance Industries、TATAグループ各社(エネルギー・製造)
  • Infosys、TCS、Wipro(IT)
  • Hindustan Unilever、Nestlé India(生活必需品)

このようなセクター分散により、個別企業のリスクをある程度軽減しながらインド経済全体の成長に連動する仕組みが整っています。


コストとパフォーマンス

ファンドの総経費率は年率0.55%と、海外株式ファンドとしては比較的低コストです。ただし、為替リスクや売買コスト、先物取引の影響により、ベンチマークとの乖離が発生する点には注意が必要です。

2025年3月期は、売買コストや信託報酬、為替損の影響もあり、ベンチマークとの差が0.6%程度生じました。これはインデックスファンドにおいてある程度想定される範囲です。


今後の展望と投資戦略

2025年後半にかけては、以下の点に注目が集まっています。

  • 米国の金融政策動向(利下げ開始のタイミング)
  • 中国や東南アジアとの比較におけるインドの競争力強化
  • AIやデジタル化によるインドIT産業の成長加速
  • インフラ整備や電動車市場の拡大に伴う製造業の好調

これらを踏まえ、インド市場は短期的な変動はあっても、中長期では高成長が期待される市場であると言えるでしょう。


まとめ:iFreeNEXT インド株インデックスは「成長性」と「手軽さ」を兼ね備えた選択肢

iFreeNEXT インド株インデックスは、インド経済の成長に幅広く乗ることができる手軽な投資手段です。2025年3月期は一時的な為替変動や米国要因により基準価額が下落しましたが、ファンドの構成は堅実で、今後の成長も見込まれています。

中長期での成長を信じ、定期積立などで継続的に投資していくことが、このファンドの力を引き出す最も効果的な方法といえるでしょう。


※本記事は投資勧誘を目的としたものではありません。投資に際しては、各種リスクやコストを十分に理解した上で自己判断で行ってください。

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